【個性派Cセグ比較】MAZDA3とシビックハッチバックを比べてみた

MAZDA3 1.8XD シビック1.5TURBO 比較

 

 

先日発売されたMAZDA3がクルマ界隈の話題の中心になっていますが、国内のCセグメントハッチバックにもかっこよくて実力の高いモデルはあります。

その1つがシビックハッチバックではないでしょうか。

勿論他にも魅力的なクルマはあります。

 

なぜシビックを引き合いに出したか?ですが、個人的にシビックが好き、ホンダというメーカーが好きなのもあります。

また、MAZDA3のジェットブラックマイカという黒のボディーカラーを見ていると、シビックハッチバックを思い出したので、比較してみることにしました。

今回のセレクトはかなり私の趣味が入ったものになっていますw

 

 

 

正直、快適・安全装備、内装質感に関してはMAZDA3がかなり上のレベルにあります。

装備や質感はキツイですが、動的質感については充分勝負できる内容になっていました。

MAZDA3に無い物をシビックは備えています

その辺りをご紹介して、この個性派な二台を比較レポートしていきます。

 

比較車種紹介

 

今回比較用に試乗させて頂いたモデル

MAZDA3 ファストバック(FASTBACK)

1.8XD PROACTIVE TouringSelectin 1.8ディーゼルターボ FF ¥2,858,800

ホンダ シビックハッチバック(CIVIC HATCHBACK)

HATCHBACK 1.5ℓガソリンターボ FF ¥2,800,400

 

比較車は黒のボディーカラーで引き締まったエクステリアのモデルとなっています。

どちらも惚れ惚れするかっこよさ。

たまたま価格帯的にも近い2台になりました。

価格を見ると、ディーゼルターボのMAZDA3とガソリンターボのシビックで価格が8万円程度しか変わらないのは軽い衝撃ですねw

 

では簡単にスペックを比較。

スペック

 

MAZDA3:1.8ディーゼルターボ FF PROACTIVETouringSelection

CIVIC:1.5ガソリンターボ FF 

この2モデルのスペックを一覧にしました。

 

こうやって見るとボディーサイズはシビックが全長60㎜長いことを除いて、ほぼ同等の車両寸法になっています。

違いはリヤのオーバーハング分になりますが、この長さ分でシビックは実用的なラゲッジスペースを確保できています。

MAZDA3はホイールベースが2,725㎜とシビックに対して25㎜長いですが、最小回転半径は小さい。

これはタイヤのサイズも影響していて、両車とも18インチなのですが、

MAZDA3:215/45R18

シビック:235/40R18

とシビックはハイグリップタイヤになっていました。

 

 

このクラスのクルマで235という設定は少ないです

GOODYEARの高性能タイヤが設定されていることからも、このクルマに対するメーカーの意気込みが感じられます。

 

エンジンですが、シビックの1.5ターボで182馬力を発生させるのでMAZDA3の116馬力とはかなり差が出ています。

MAZDA3の1.8ディーゼルは270N・mを1,600回転から発生させるのでトルクで走る感じですね。

MAZDA3は2019年7月に追加予定の2,000NAガソリンエンジンのモデルの走りが気になるところ。

燃費を見てしまうとMAZDA3のディーゼルが維持費は安く済みそう。長期的に見るとメンテナンスや、修理等で一概には言えないですが。

私も一度ディーゼルターボのモデルは所有してみたいので魅力的。

 

MAZDA3・シビック、エクステリア

 

MAZDA3:1.8ディーゼルターボ FF PROACTIVETouringSelection

CIVIC:1.5ガソリンターボ FF 

引き続きこの2台のモデルと装備でのレポートです。

 

ではエクステリアを見ていきます。

フロント

 

 

MAZDA3、シビック共にカッコイイことに間違いないですw

こうやって並べてみると如実に分かるのが、デザインのアプローチが全然違うこと。

MAZDA3は魂動デザインがますます昇華されています。どこか有機的で生き物のような雰囲気をもったフロントフェイス。

対して、シビックはガンダム的な感じで良い意味でガチャっとしたロボットのように無機質な感じ。

どちらもそれぞれ良い顔してます。

MAZDA3は美しくかっこいい、シビックは無骨にカッコエエ!って感じでしょうか。

個人的には全く気にならないですが、好みが別れそうのがMAZDA3の大きなグリルと、シビックはダミーのダクトデザインかな。

 

 

MAZDA3のヘッドライトはデイタイムライト付のアダプティブLEDヘッドライト、先行車や対向車を検知して、自動で配光制御をしてくれる最新の制御が出来るタイプ。

 

 

シビックは自動で先行車、対向車を検知してロービームとハイビームの切り替えが出来るオートハイビームタイプのヘッドライトになっています。

ホンダのクルマ自体アダプティブLEDヘッドライトを備えたクルマは少ないので、今後の新型での採用を期待したいですね。

 

サイド

 

 

サイドビューも全くといっていい程印象が異なります。

Cセグメントサイズの限られた寸法制約の中で個性を放つためにデザインされている努力が感じられますよね。

MAZDA3は引き算デザインでキャラクターラインを無くし、それを個性としています。

シビックはしっかりキャラクターラインが入り、筋肉質で引き締まったサイドビュー。

 

 

MAZDA3はシビック同様セダンとハッチバックタイプのボディータイプがありますが、専用パネルの多様化でデザインの自由度が上がり、極太のCピラー等チャレンジングなデザインがされています。

共通のパネルを使わなくてよくなった事での解放感を感じられる仕上がり。

 

 

 

シビックはデザインベースがセダンになっているので、その名残は感じさせつつもアグレッシブなリアエンドの処理でセダンベースであることをほとんど感じさせない仕上がりになっています。

共通のパネルを使ってここまで雰囲気を変えられることの巧さもありますよね。

またシビックハッチバックは標準で車体下部のフロント・サイド・リヤにスポイラーが設定されており、よりスポーティーでアグレッシブな印象。

 

 

MAZDA3は長めのフロントノーズでスタイリングの良さが強調されます。

後方に向かってスラント(傾斜)したノーズの処理も特徴的。

 

 

シビックは空気をスクープするイメージのノーズデザイン。

ボンネットフードがMAZDA3と比べると少し厚めなんですが、これが正面から見た時に迫力あるフロントフェイスになっていると感じます。

両モデル共に彫の深さもある顔で、ほんと良い。

 

リヤ

 

 

MAZDA3のリヤセクションですが、ショルダーラインを無くして全体のフォルムで踏ん張り感と、塊感を表現しています。

なので車幅のピークが車体下部のフェンダーの部分に来てますね。

シビックはセダンを切断したデザインなので車幅のピークが上の方になっています。

少しボクシーなリアビューでドッシリ感が演出されているイメージなのがシビック。

 

 

MAZDA3のマフラーは片側2本だし。

マフラーに関しては個人的にこのスタイルがベストです。

 

 

シビックはセンターの2本出し、標準でこのセンター2本出しなのもかなり異色感あります。

明らかにスポーツを意識したスタイリング。

 

 

センター2本出しにされているフィニッシャーもこの仕上がり。

かなり太目の径で迫力抜群です。

 

 

こうやって2台を見比べると、引き算の美学でデザインされている、MAZDA3の方がすこし「フクヨカ」に見えませんか?

MAZDA3は柔和で女性的シビックは無骨で男性的なデザインだなと思いました。

 

続いて動的質感のレポートですが、この2台は以前もレビューしてるのでちょっと趣向を変えて評論家風に書いてみました。

 

動的質感の比較

 

「味わい深いMAZDA3」と「FUN・TO・DRIVEのシビック」

 

MAZDA3

 

 

MAZDA3の動的質感の特徴は気持ちよさに尽きる。

オーディオの音はもとより、エンジン音からロードノイズに至る音の聞こえ方を徹底的に調整してきただけのことはあり、耳に届くこれらの音が心地よいと感じる仕上がりになっている。

MAZDA3は一言で表現すると「柔」だと思う。

 

 

サイドのキャラクターラインやショルダーラインを廃した引き算の美学的なエクステリアの印象だけではない。

MAZDA3は新世代商品のスモールアーキテクチャーを採用、特徴的なのはその足回りだ。

リアのサスペンションに、トーションビームを採用してきた。

トーションビームと言えば、ミニバンや軽自動車と言った空間効率優先のクルマに採用されることが多い。

そして空間効率と引き換えになるのが、乗り心地。

しかし、走りの質感追求に余念のないマツダがテコ入れをしないはずが無い

独自の機構を備えたトーションビームを開発し、上下動がメインのトーションビームの突き上げ感を見事に克服してきた。

そして路面との接地感や入力は感じるが、不快に感じる寸前で見事に丸められており気持ちの良い運転感覚を味わえる

 

 

そこに組み合わせられたのが、現行CX-3から採用されている1,800ccのディーゼルターボエンジン

116馬力、270N・mという豊かなトルクを発生するエンジンはまろやかな乗り心地のMAZDA3と相性が良い。

このエンジンを積んだCX-3は静粛性、特にエンジン音という点においてディーゼル特有のカラカラ音がかなり目立ち、褒められるものではなかった。

冒頭でも述べたとおりこのエンジン音も力強い気持ちよさが伝わる音質に調律され、非常に好感の持てる仕上がりになっている。

ディーゼルらしく低回転域から豊かなトルク感を伴いながら加速をしてくれるエンジンだ。

加速のパンチ力という点では「今一歩」という印象も無くはないが、街乗りで扱いやすく非常に運転しやすい加速感だと思った。

驚いたのはコーナーリングでの安定感、GVCプラス(G・ベクタリング・コントロール)の恩恵か車体の姿勢変化が少なく滑らかに曲がることができる。

 

 

1つ気になるのはブレーキの初期制動の弱さ、これに関してはマツダ車全般に言える。

メーカーならではこだわりを持って設定されているそうだが、筆者としてはどうしても弱く感じる。

もう少し初期制動を強くしてからリニアに効き始めるという調整になることを期待したい。

ブレーキは気になるが、MAZDA3はそれ以外の動的質感は非常に高いレベルにある。

ステアリング操作の応答から、音や突き上げの処理まで非常に細かい調整がされ噛めば噛むほど味を感じられる、味わい深く運転の楽しいクルマだった。

 

シビック

 

 

続いてホンダ・シビックハッチバックだが、2017年に国内でデビューその1年程前から北米等で販売が開始されている、モデルライフとしては半ばを過ぎ後半へ足を突っ込んでいる。

スポーツグレードであるTypeRの設定を前提とした開発の恩恵で、非常に高いボディー剛性を得た運の良いモデルだ。

筆者としては特にこのクルマの高いステアリング剛性からくるハンドリングを賞賛したい。

質の高いレザーを使用したステアリングを少し操作するとすぐ分かっていただけると思うが、スポーツカーのようにダイレクト感のあるハンドリングを味わえる。

シビックハッチバックは一言で言うと敏捷、俊敏等からくる「敏」だろうか。

 

 

このクルマは特にフロント側の剛性が強く感じられFFでありながら俊敏な交差点での回頭性、コーナーでの安定した挙動を感じることができると思う。

ホンダ独自のコーナーでの挙動制御「アジャイルハンドリングアシスト」も効いている。

初めて同社・ジェイドRSに試乗した時その制御を初体感し、回頭性の良さに舌を巻いた記憶がある。

非常に高い路面との接地感と直進安定性もあり、グランドツーリングカー的な要素も持ち合わせた一面も持っている。

「新型のMAZDA3と比較すると」という前提付きだが、設計の古さもあり静粛性ではやや劣る

特にロードノイズの聞こえ方に関しては結構な差を感じられるが、他のモデルと比べて特にひどいという事ではもちろん無い。

加速時のエンジン音も聞こえてくるが、吹け上がりが良く嫌な音質ではなかった

 

 

MAZDA3とは逆にシビックは現行型になってからリヤサスにマルチリンクを採用してきた。

これがとても良くできていて、高いボディー剛性と相まってとても乗り心地が良い

マツダ3より入力は強めに感じるのだが、動きの良いダンパーによってすぐに収束してくれるので後席の乗員も快適に過ごせるだろう。

実際妻を後ろに乗せて試乗したことがあった。

彼女はクルマに興味が無く基本的にクルマに関してはネガな発言が多いが、シビックに関しては「乗心地が良い」と褒めていたのが強く印象に残る。

 

 

シビックハッチバックは英国スウィンドンの工場で生産されたものが国内に導入されている。

搭載される1.5ℓターボエンジンは兄弟モデルで国内生産のセダンと違い、ハイオク仕様でパワーが少し大きい182馬力

1700rpm/mから最大トルクの220N・mを発生させるがこの加速が実に気持ち良い

組み合わせられる試乗車のトランスミッションはCVTとなっているが、ホンダ独自の「G-Design Shift」により、加速が後から付いてくる感じもほとんど感じられない

こちらもハンドリング同様アクセルワークに対してダイレクトに反応してくれる。

ハッチバックは6速MTも選択できるので走り好きの方には是非6MTもお奨めしたい。

高いステアリング剛性とスパッと決まるハンドリング、1.5ターボの力強い加速もあり、直感的に楽しい!と思えるのがシビックハッチバックだ。

スポーツカーの乗り味を街乗りのパッケージングに落とし込んだような感覚なので、是非乗ってみて欲しい一台だと思う。

 

 

動的質感の比較レビューは以上です。

 

内装や、装備関連の比較をすると長くなるのでここまでにします。

 

まとめ

 

新型MAZDA3とシビックの動的質感の比較レポートを中心にまとめました。

 

 

装備関連に関しては正直設計の新しいMAZDA3が有利なのもありますが、最近のマツダ車が最新の装備を惜しみなく投入してくるので、かなり溝を空けられています。

なので比較しなかったのが正直なところです・・・

しかし、クルマ本来の魅力とも言うべき走りの質感に関しては全く引けをとりません!

エクステリアもデザインアプローチの違いもあり、しっかりとキャラクター性も感じられ魅力的です。

あとは内装で使うマテリアルの質感ですね。

 

 

シビックもソフトパッドなどは使われていますが、合成皮革に関しては全く使用されていません。

残りはファブリックと、プラスチックなのでどうしても寂しい内装に目がフォーカスしてしまいます。

もう少し、内装の質感が上がれば劇的に商品性が高まると思うので次期シビックには是非頑張って欲しいと願うばかりです。

 

最後はシビックへの叱咤激励的になりましたが、大好きだからこそですのでそこをご理解頂ければ有り難いです。

 

以上でMAZDA3とシビックの比較レポートを終ります。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

 

シビックの公式HPです。

 

 

MAZDA3の公式HPです。

 

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