BMW 320d xDrive M スポーツ 試乗レポート
BMWの新型3シリーズに追加された320dに試乗させて頂きました!
試乗車は2.0ℓディーゼルターボモデルの320d xDrive M Sport¥6,290,000の車両。
ZFの8速スポーツATとの組み合わせ。
以前2ℓガソリンターボモデルの320i Msportには試乗させて頂いていて、素晴らしい加速とキレキレのハンドリングを体感していました。
今回はディーゼルエンジンに4駆の組み合わせ。
FRベースの4駆って初めて乗ったと思うんですが、また独特な良さがありますね!
今回は320d M sportのドライブフィールのレポートをしていきます。
あと先進機能の「リバースアシスト」を体感してきたのでその辺りも紹介しますね。
以前レポートしてからラインナップに変化がありますので概要もしっかり目にご紹介します。
BMW 320d M Sport 概要
グレード・価格
■320i SE
2.0ℓ直4ターボ(国内専用スペック) 8速AT ¥4,520,000
■320i standard
2.0ℓ直4ターボ(国内専用スペック) 8速AT ¥5,230,000
■320i M Sport
2.0ℓ直4ターボ(国内専用スペック) 8速スポーツAT ¥5,830,000
■320d xDrive
2.0ℓ直4ディーゼルターボ 8速AT ¥5,780,000
■320d xDrive M Sport (今回の試乗車)
2.0ℓ直4ディーゼルターボ 8速スポーツAT ¥6,290,000
■330i M Sport
2.0ℓ直4ターボ(ハイパフォーマンス)8速スポーツAT ¥6,320,000
■330e M Sport
2.0ℓ直4ターボ+1モーター PHEV 8速スポーツAT ¥6,540,000
■M340i xDrive
3.0ℓ直6ターボ 8速スポーツAT ¥9,620,000
現状はご覧のようなラインナップになっています。
320iは日本国内専用の2.0ℓターボのスペック、184PS・300N・mとなっています。
このM Sportに以前試乗しています。
330eなるプラグインハイブリッドモデルが存在していることは今回初めて知りましたw
M340iはスポーツモデルですね。
サーキット走行も視野に入った高スペックなエンジン搭載。
日常生活では使い切れないでしょうw
M2コンペティション
387PS・500N・mという鬼のようなスペックは以前試乗させて頂いたM2コンペティションと同等スペック。
湧き上がるパワーと滑らかな加速、スポーツサウンドが魅力のモデルでした。
M340iも乗ってみたいなぁ。
全長が伸びてホイールベースが変わるとトラクション性能も変わるので乗り味の変化も体感出来そう。
試乗車のスペック
試乗車の320d xDrive M Sport¥6,290,000のスペック。
ディーゼルエンジンの高いトルク性能はやはり魅力ですね。
グレード名にもあるxDriveは4WDの意味ですが、機械式のフルタイム四駆になります。
今回初めてFRベースの4WDを体感しましたが、すごく良かったです。
細かいレポートは後程しますね。
簡単に内外装も紹介します。
エクステリア
全幅1,825㎜、全高1,440㎜、新型からついに1,800㎜をオーバーしてきました。
代名詞のキドニーグリルも真ん中で分かれていたのがくっついて全体的に大きく変化しています。
ここは賛否両論ありそうですが、3シリーズのサイズなら私は有りです。
試乗車はアダプティブLEDヘッドライトを装備。
ベースグレードの320i SE以外で標準装備となっています。
FRセダンとして、しなやかで美しさが際立つサイドビュー。
全長4,715㎜、ホイールベース2,850㎜とフォルムとホイールベースの長さからも動的質感、性能の高さが伺えます。
M Sportは専用の「M Sportサスペンション」や「M sportブレーキ」が採用され見た目のエアロパーツだけでなく足回りも専用装備になります。
19インチのアルミホイールはデビューパッケージ約30万円の中の装備。
リヤのLEDコンビネーションランプのデザインも秀逸でチューブ形状のポジションランプがイケてる!
左右2本だしのマフラーの径やロアバンパーのデザインや質感も抜かりないですね。
ドッシリ感が滲み出ていて安定感あります!
インテリア
インパネに使用されている本杢パネルもデビューパッケージの内容。
本杢パネルの採用でラグジュアリー感を演出していますが、少しアンマッチな印象もありますね。
通常はアルミ調フィルムのオーナメントパネルみたいなので、そちらの方がキャラには合いそうだと思ってます。
新型3シリーズは新しいインテリアのデザインと機能「 BMWライブ・コックピット」を採用。
メーターが12.3インチの液晶パネルを使用しています。
ナビ画面は10.25インチのタッチパネルに対応。
エアコンの調整はアナログスイッチが残っており、操作性に考慮されています。
これは有り難いポイント。
後席の足元空間も余裕の広さ。
175センチの私の身長でも後席の背もたれはまだこんなに余裕があります。
座面長もしっかりあって、程よい包まれ感もあり後席の居住性も良いです。
センターコンソール後端にエアコンのベンチレーションやアクセサリーソケット、USBのスロットも設定があり、ユーティリティーもOK。
ではドライブフィールのレポートに移ります!
BMW 320d xDrive M Sport ドライブフィール
ドライブポジション
運転席
M Sport専用のセミバケットタイプのフロントシート。
試乗車のヴァーネスカレザーシートもデビューパッケージの内容です。
シートに座るとサイドサポートがキュッと体にフィットしてタイト目で体がずれにくいシートになっていました。
レザーやウレタンも硬めで疲れにくそうなシート形状。
デザイン、ステッチ共に凝ったものになっていて、このシート座るだけで所有欲満たしてくれそう。
運転席は12wayのパワーシートになっており低い着座位置が可能。
個人的に低いポジションが好みで320dの乗り味とも相性が良かったです。
アクセルペダルはオルガン式が採用されており、ペダルのレイアウトもちゃんと右ハンドル仕様への最適化が出来てます。
トータルでの着座感は相当良いです。
足を無理なくブレーキペダルに乗せるとしっかりと足がペダルにかかります。
ボンネットフードは右足の右に写っているレバーを2回引くと開けれます。
足をスッと前に出した位置にアクセルペダルが待っていて、マツダ車のレイアウト同等の着座姿勢になる印象です。
ファーストインプレッション
シフトレバー横のスイッチを押しながら手前に引くと操作できます。パーキングに入れる時はPボタンを押す。
センターコンソールに移動したエンジンスタートスイッチを1回押すとキュルルドウンと2.0ℓディーゼルターボエンジンが始動します。
アイドリング音はそれなりに聞こえますが、ディーゼルのカラカラなってるかな?的な音は極少に聞こえて来る程度。
あとはディーゼルの力強い音質のエンジン音ですね。
マツダのクリーンディーゼルの方がアイドリング音に関しては若干ですが静かな印象です。
極上のステアリング
吸いつく様なMSport専用のステアリングに手を添えるとドッシリしてる。
ちょっと太すぎる気もしますが、慣れで解決するレベル。
320iの時にも少し感覚としてありましたが、さらに重厚感のあるステアリングセンターの感じですね。
少しステアリングを動かすとめちゃ好みの重さ。
「これはかなり良いんではないか!」と思いながら試乗スタートです。
3シリーズはドライバーとAピラーとの距離が特に近いです。これにより視野角が広くなるため前方の死角が少なくなります。
一般道に出るためにウィンカーを操作すると、今回初めて気づいたんですがウィンカーの音のリズムが早いですね。
「カチカチカチ」と忙しない感じ。
一度気になると毎回気になっちゃってw
音のタイミングとか変更できると良いんですが、ちょっと設定を覗いてみましたが調整は出来ないみたい。
営業さんも「ウィンカー音ちょっとうるさいんですよね」と仰っていたのでユーザーの方からそういう声もあるんでしょうか?
この新しい2ステージターボで滑らかな加速が実現!
BMWは320dに搭載される2.0ℓディーゼルエンジンからボルグワーナー製の最新2ステージターボチャージャー「R2S」を採用しています。
このターボチャージャーは低圧用の可変タービンジオメトリー(VTG)ターボチャージャーと高圧用のウェストゲートターボチャージャーを組み合わせているのが特徴だそうです。
これにより低回転域から高回転域までレスポンスの良い加速が得られるという記事がありました。
加速・静粛性
長いボンネットフードに映り込む雲が美しい。塗装の良さを感じられます。
一般道に出てアクセルを一踏みすると何とも言えない重厚感と接地感がありながら、グイッとクルマが出て行きます。
「これはww」あまりにも好きなフィーリング過ぎて思わず笑いが出てきます。
エンジン音は初期回転でグウォォンと力強い音質。
アイドリング時に感じるわずかなディーゼル感は走り出すと全く気になりません。
エンジンの回転は滑らかで1,750回転で最大トルク400N・mの豊かなトルクも感じられます。
8速スポーツATとの相性は円熟の域に達しており、アクセルレスポンスも抜群です。
メルセデスのAクラスA200d+8DCTは唐突な位のスタートダッシュでしたが、それよりマイルドで扱いやすい。
320i M Sportは国内専用仕様のエンジンスペックを採用した贅沢なモデル。
320iガソリンターボとの違い
しばらく真っ直ぐ流していくとガソリンターボの320iとの違いが鮮明に分かってきます。
試乗車は320i、320d共にデビューパッケージで19インチのアルミホイールを履いていました。
ガソリンとディーゼルで違うのが路面の凹凸の感じ方、ガソリンは細かい凹凸もコツコツと伝えてきましたが、ディーゼルはエンジンや4輪駆動の機構で車重が上がった分、路面の凹凸を踏み潰していき細かいコツコツは殆ど感じません。
サスペンションのセッティングが硬めなのは共通で、大きな路面のうねりで車体が上下に動く場面もありました。
この辺りは標準の18インチホイールであればもう少し改善される気もします。
デザインが19インチがかっこいいので悩みどころですが、18インチもイケてますよね♪
通常の18インチホイールを履いた展示車。このホイールデザインもかっこいい。
直進時のステアリングの重さと中立付近のしっくりとした座りがとても良いです。
FRのステアリング操作の応答性の良さも残しつつ、4WDの高い接地感を感じられて抜群の乗り味の濃さを演出してくれます。
ディーゼルになって4WDになることで、ここまで変化を感じるのか―。
クルマって同じモデルでも全然違うのを改めて感じます。
黒いセダンって何でこんなにかっこいいのか。
ちょっとした車線変更、交差点での旋回での操舵量の少なさが際立ちますね。
舵角が少なくて済むハンドリングのダイレクト感や切り戻しの気持ち良さのスゴイこと。
FRの320iは回頭するときにノーズがスッと向きを変えて軽快でスパッとした切れ味でした。
レポートもしてるんですが、路面との接地感に少し滑る様な感覚が強すぎて乗り味が薄いように感じたんですよね。
320dのxDriveになるとクルマが地面に吸い付くように全体で曲がっていく感覚。
普通のセダンタイプで地を這う感覚を得られるとは、さすがBMW!
四駆好きとしてはたまらないトラクションフィーリングでした。
「アクティブ・エア・ストリーム」と呼ばれるアクティブグリルシャッター機能、エンジンやブレーキを冷やす必要が無いときは電動でシャッターが閉じる。
車体の重量配分も50:50を実現出来ているので自分が中心にクルマが動いている感じもちゃんとあります。
好みで言うと320dが好きですが、扱い易さはガソリンターボかな。
320dのステアフィールは重くて扱い辛いと感じる方もいらっしゃるかも。
しかし、ずっしりとした操作感が好きな方にはたまらない良さがあると思います。
川沿いの少し交通量の少ない直線に出て加速を試します。
アクセルペダルを踏み込んでいくとドカンと来る感じではないですが、ズォォーとクルマが加速します!
変速ショックは全くなくシームレスで滑らかな力強い加速、高いロードホールディング性能で路面をしっかり掴んで浮ついた素振りを全く感じません。
オルガン式アクセルペダルを踏んだ時の剛性と踏んだ分だけ加速していくエンジンと直結したようなリンク感。
ハンドリングだけでなくエンジンとの一体感も素晴らしいと思います。
「あー良い」試乗中3回は言ったかもw
ブレーキフィール
街乗りではブレーキの初期制動の強さは気になるシーンもあるんですが、先ほどのようにスピードを上げた状態だと素晴らしい制動を披露してくれます。
高い速度域でも初期制動がしっかり効いてくれるので安心感はかなり高いですね。
これで街乗りでの扱い易さも実現出来ればパーフェクトですが、メーカーならではの拘りや伝統的な物もあるので「気に入ればユーザーが慣れれば良い」ですよね。
ロードノイズ
静粛性も高く特にロードノイズは一定にサーと聞こえて来るだけで、気になる場面は無かったです。
BMWだけに限らず、ディーゼルエンジンになるとロードノイズが気にならないクルマが多い気がするので上手く打ち消し合いが出来るんでしょうか。
ディーゼルエンジンの出すノイズと人間の気になる領域のロードノイズが上手く相殺されるのかもしれません。
それか、メーカーがちゃんと狙ってやってる可能性も充分にありますが。
営業さんとずっとおしゃべりしてたので気付いてないのかもしれないですが、会話を妨げるようなノイズは感じませんでした。
巡航中のエンジン音は完璧に押さえ込まれていて、静粛性の高さを感じる車内空間になっています。
高級車のラグジュアリー感も持ちつつ高次元のスポーティ走行も出来るクルマでした。
これは間もなく追加されるツーリングが楽しみ過ぎるー )^o^(
緑のステーションワゴン、めちゃくちゃかっこいいです!
ドライブフィールは以上です。
先進機能リバースアシストを体感
リバースアシストについて
リバース・アシスト/後退時ステアリング・アシスト機能
35 km/h以下の走行時に、直近50mのドライビング・ルートを自動的に記録し、必要な時にはこれまでドライブしてきたルートに沿ってステアリングを自動的に操作しながら後退できるようにします。
ドライバーはステアリング操作を気にする必要がなく、車両の周囲の状況に集中できます。
このようになっています。
特に大き目のクルマで細い路地に入り込んでしまった時など運転に自信の無い方にとって嬉しい機能になるかもしれません。
リバースアシストの仕方
①シフトレバー横のパネルアイドリングストップボタン上のPボタンを押す。
→緑のランプが点灯。
②10.25インチのセンターパネルにこのような画面が表示されるので「後退アシスト」にチェックを入れる。
③あとはブレーキを適宜踏んでスピード調整すればクルマが元来た軌跡を自動でバックしてくれます。
画面のクルマの漫画に赤文字で38mと出ていますが残り進む距離数を表しています。
リバースアシストは以上です。
簡単に発動できるので便利そうですね。
パーキングアシストもついでに紹介します。
パーキングアシストの仕方
この機能は前提として、1台分の駐車スペースが空いてる所で使う方が良いそうです。
3台とか連続で空いてる時などはスペースを認識しづらいとの事。
①リバースアシストと同じPボタンを押して、今度はパーキングアシストをチェックします。
②一台分のスペースが空いているすぐそばをゆっくり走ると音で「ピコン」と自動駐車できることを教えてくれます。
この状態でクルマの漫画の右下、赤いPボタンを押すとシステムが発動します。
③あとは障害物を認識しながらクルマが勝手に自動で駐車してくれます!
④きっちり収まると勝手にギアもパーキングに入ってパーキングアシスト終了!
実際体感してみるとどっちも気持ち悪いですw
先進機能のリバースアシストとパークアシストの解説は以上です。
まとめ
BMW3シリーズに追加された2.0ℓディーゼルターボモデル320d MSportの試乗レポートでした。
新しいターボチャージャーを搭載したディーゼルエンジンの滑らかな加速のエンジンフィーリングが素晴らしかったです。
xDriveの路面との高い接地感が印象的な試乗となりました。
接地感が薄く感じたガソリンターボ(320i)との明確な性格分けが出来ていて非常に面白いです。
私は普段スバル・レヴォーグに乗っているのですが、トラクションの感じがスバルのAWDとまた違いました。
レヴォーグは曲がる時フロントが曲がってから全体がグイっと曲がる感覚。
対して、320dはFRベースの4駆なので自分中心に4輪すべてで曲がる、旋回という言葉がぴったりな曲がり方。
この感覚は病みつきになりそうw
とてもきれいなボディーパネルの映り込みでした
従来のBMWのディーゼルよりさらに静粛性が上がっているそうなので上質感もあり、スポーティで運転の楽しさもある魅力的なクルマだと思います。
以上でBMW320d xDriveの試乗レビューを終わります。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました!
3シリーズの公式HPです。
BMW 3シリーズ セダン:すべてのハイライトモデル、装備、主要諸元および見積りシミュレーション…