メルセデス・ベンツC220d動的質感、内外装レポート
メルセデス・ベンツCクラスのステーションワゴンC220dに試乗させて頂きました。
試乗グレードは※C220dステーションワゴンアバンギャルドというグレードなんですが、ラインナップ改訂があり現在はローレウスエディションとなっています。
※C220d←のdはディーゼルエンジンという意味です。
現在のラインナップでの車両本体価格は¥6,380,000。
縦置き直列4気筒2.0ℓディーゼルターボエンジン
先日新型のAクラスに追加された2.0ℓディーゼルターボ+新開発の8速DCTのモデルに試乗してその走りに感動しましたが、そのエンジンは今回試乗させて頂いたディーゼルエンジンをFFレイアウト用に変更して色々改良されたものが搭載されていました。
A200d、ディーゼルとは思えない加速の仕方で運転楽しいモデルでした。
元となるエンジンの実力が知りたいことと、ステーションワゴン好きとしてはCクラスのステーションワゴンは一度体感しておきたいと思い試乗させて頂きました。
今回はC220dステーションワゴンのドライブフィールと内外装レポートです。
高い内装質感と素晴らしい路面タッチのクルマという印象でした。
CLAの内装も良かったんですが、やっぱりC-Class!
このクラスでこの内装はやはりトップの貫録があります。
このコックピットやばくないですか?あとやっぱりステーションワゴンは良い。
特にFRワゴンのスタイリングは秀逸です。
ディーゼルの上質で力強い走りも魅力的。#メルセデス pic.twitter.com/W94avIWPXA— UU (@WCLBlogAuthor) October 5, 2019
メルセデスCクラスステーションワゴン 概要
グレード・価格(AMG除く)
先日ラインナップに改定がありローレウスエディションが発売されました。
Cクラスステーションワゴンの2019年10月時点でのラインナップです。
■C180ステーションワゴン(受注生産)
1.5ℓターボ 2WD/FR 9AT ¥4,880,000
■C180ステーションワゴン アバンギャルド
1.5ℓターボ 2WD/FR 9AT ¥5,300,000
■C200ステーションワゴン ローレウスエディション(BSG搭載モデル)
1.5ℓターボ マイルドハイブリッド 2WD/FR 9AT ¥6,100,000
■C2004MATICステーションワゴン ローレウスエディション(BSG搭載モデル)
1.5ℓターボ マイルドハイブリッド 4WD 9AT ¥6,400,000
■C220dステーションワゴン ローレウスエディション
2.0ℓディーゼルターボ 2WD/FR ¥6,380,000
現在のラインナップはこのようになっています。
※ローレウスエディションはAMGラインというスポーティな装備を標準装備としたお得感のあるモデルになっています。
「ローレウス」はメルセデスがグローバルパートナーを務めるスポーツの力で世界をより良いものに変えていくことを目的に2000年に設立されたスポーツ振興財団。
ローレウスエディションはCクラスのみに設定があるみたいですね。
AMGラインの見た目が好みでない方は早い段階で購入した方が良いことになります。
ディーゼルには4MATIC(4WD)の設定が無いのは残念ですね。
ライバルのBMW・3シリーズのツーリング320dはxDriveの4駆です。
逆に3シリーズは4駆しかないですがw
個人的には住んでる地域性もあって4駆の方が安心感はあります。
試乗車スペック
試乗車は最新のラインナップではありませんが、ローレウスエディション相当の装備が付与されていました。
AMGライン付のエアサス仕様、サンルーフもついていました。
エンジンスペックは194PS、400N・mとBMWやボルボの2.0ℓディーゼルエンジンと同等スペックです。
プジョーの2.0ℓディーゼルはトルクは同じで177PSと少し下がります。
マツダは2.2ℓディーゼルで190PS、450N・mとなっています。
一通り試乗はさせて頂きましたが、メルセデスのディーゼルは回転時の音質が良いなという印象があります。
フューエルリッドはプッシュ開閉式。
やはりディーゼルの経済性は魅力的、普通のサラリーマンなのでランニングコストは重要です!
今後は電動が主流にもなってくるでしょうから、最後の純内燃機関はディーゼルエンジンにしたい願望が大きい。
メルセデスのディーゼルも最新のアドブルー(尿素水)でのNOx(窒素酸化物)の除去に対応しています。
アドブルーの補充や価格
気になってちょっと調べたんですが、
■メルセデス純正のアドブルーが10ℓタンクで約2000円
■工賃が1回約3000円
■アドブルーが約1000㌔で1ℓ消費
■Cクラスのアドブルータンクが24.5ℓ
1万キロなら5000円位になりますが、メルセデスケアというメンテナンスパックに入っていれば、アドブルーも対象の為無償で交換可能になるみたいです。
ご参考までに。
参考にした現行デビュー時の記事です。
ボディーサイズ
立派に見えるのですが、全幅が1,810㎜なのは良いですね。
国内でも売れている理由の一つとしてこのサイズは大きいんではないでしょうか。
新型CLAよりも狭い全幅なので取り回しもしやすいです。
全高は低めの1,440㎜に抑えられているのでローワイド感もしっかりあってカッコイイ。
ステーションワゴンの見所、秀逸なサイドビューですね。
全長4,720㎜と決して長くはないですが、伸びやで美しいスタイリング。
ホイールベースも長めの2,840㎜が確保されて動力性能、居住性の高さを思わせるスタイリングが実現されていますね。
セダンもかっこいいですが、特にFRのステーションワゴンは特に惚れ惚れするスタイリングですね。
Cクラスのステーションワゴンも素晴らしい。
AMGライン、ローレウスエディションでの装備内容
エクステリア
●AMGスタイリングパッケージ[フロントスポイラー・サイド&リアスカート]
フロントスポイラー、ダイヤモンドグリル
エアインテーク
サイドスカート
リヤスポイラー
マフラーはダミー
ディフューザー形状
●18インチAMG5ツインスポークアルミホイール〈C 180 ステーションワゴン アバンギャルドのみ〉
リヤ
●マルチビームLEDヘッドライト(ウルトラハイビーム付)、アダプティブハイビームアシストプラス
パフォーマンス
●Mercedes-Benzロゴ付ブレーキキャリパー&ドリルドベンチレーテッドディスク[フロント]〈C 180 ステーションワゴン アバンギャルドのみ〉
●DYNAMIC BODY CONTROL〈C 180 ステーションワゴン アバンギャルドのみ〉
インテリア
●ブラックアッシュウッドインテリアトリム
●レザーARTICOシート
●スポーツシート[前席]
●AMGスポーツステアリング
●ステンレスアクセル&ブレーキペダル(ラバースタッド付)
見た目だけでなく、機能的にもスポーツの要素が多く取り入れられているのがAMGライン、ローレウスエディションとなっています。
ギャラリー的に掲載してますが、質感が高く湾曲した優雅なデザインで所有満足度もかなり高くなりますね。
現在のラインナップでAMGラインがオプション設定になるのはC180アバンギャルドのみ。
ではドライブフィールのレポートに移ります。
メルセデス・ベンツ C220dステーションワゴン ドライブフィール
ドライブポジション
運転席
運転席はAMGラインの内容でスポーツシートが設定されています。
シートのホールド感は抜群で、スポッと体が収まるようなバケットシートに似た感覚があります。
ブラックレザーにシルバーステッチが映えてます。
レザーARTICO(アルティコ)という合成皮革になっていますが、かなり良くできていて少し硬めで上質感のあるマテリアル。
本皮も良いですが、お手入れや汚れ等による経年劣化の点から考えると合皮はとても合理的だと思います。
運転席は3メモリー付きパワーシートになっていてランバーサポート以外の調整はドアトリムに設置されているスイッチで行います。
この付近の質感の仕上がりも素晴らしいものがありますね。
シルバーのメッキパーツの鈍い光具合がなんともおしゃれで、ブラックアッシュウッドパネルと抜群の相性。
今回ペダルの写真撮影し忘れたので以前撮影したCクラスセダンの画像ですが、アクセルペダルはオルガン式が採用されていて基本的な着座感は良いです。ステンレス仕上げのアクセル、ブレーキペダルもAMGラインの装備。
左足のフットレスト部が少し狭いのとセンターコンソールの張り出しで、膝がタイト気味なので気になる方も多そうな気がします。
私も少し気になります。
エンジンスタートスイッチのデザインも細かい造形です。
ファーストインプレッション
最近は最新モデルに試乗させて貰っていたので右側のエンジンスタートスイッチは久しぶりですね。
FFモデルとFRモデルとでここも分けてあるのかもしれません。
ホンダのスイッチみたいに脈動するような演出のあるエンジンスタートスイッチを押します。
アイドリング音は少しディーゼルを感じるドルルルという感じの音がフィルターを通したように聞こえてきます。
振動はしっかりカットされていて気になる事はありません。
アクセルをゆっくり踏み込んでいくと、ドゥルルルという力強いけども控えめな音質で滑らかに加速していきます。
この音は心地よいですね。音質の調律はさすが。
アクセルペダルは少し軽めのタッチで、アクセルレスポンスも良いですが先日試乗したA200dの8DCTのように唐突に飛び出すような加速ではありません。
あくまでシームレスに加速していきます。
2.0ℓディーゼルと9速ATのセッティングは熟成の域なんでしょう。
上品な加速感を堪能できます。
シフトショックも全く感じませんし、エンジン音は3速くらいまで入ると殆ど聞こえなくなりました。
最大トルク400N・mのエンジンスペックですが、強大なトルク感というよりはあくまで余裕のある走りを演出するために9ATとの組み合わせがされている印象でした。
なのでグイグイ来る様なトルクフルな加速感ではなかったです。
今から細かく書いてはいきますが、このクルマを運転していて感じるのはとにかく上質!
音や乗り心地等のインフォメーションが心地よいレベルで調律されています。
MAZDA3の時も同じような感想を持ちましたが、CクラスはMAZDA3の音量から約半分強まで落としたような雰囲気。
乗り心地に関してはエアサスなのでもっとマイルド仕上げ。
唯一ちょっと気になるとすれば高めの「コー」と言う感じのロードノイズのみが他のインフォメーションより少し主張が大きい程度でしょうか。
液晶メーターは最新のインターフェースと見た目は違いますが、機能的には音声認識がない位で機能は同等です。
「スポーティ」「クラシック」「プログレッシブ」の3つの表示モードが選択可能となっていて画像は「クラシック」
インターフェースの操作や表示内容の詳細レポートは新型Bクラスでしていまして、少し機能は違いますが参考にしてもらえると思います。
良かったらご覧ください。
新型Bクラス レザーインテリア、インターフェースのレポート 新型Bクラスに試乗させて頂きました。 1.4ターボモ…
めちゃくちゃかっこいいコックピット!
ハンドリング
ステアリングの座りが良くてドッシリと直進性が高いです。
BMW320d xDriveの方がステアリングセンターはカッチリした感じは強い気がします。
そして、曲がる時やハンドリングはやはりBMWがクイック。
しかし、直進時の安定感はC220dの方がドッシリしてます。
どちらもそれぞれ個性があって素晴らしい♪
高速域だとかなり安心感は高そうですが、低速ですと若干の取り回し辛さがCクラスは感じる場面もありました。
ステアリング操作に対する車両の追従もダイレクト感があってディーゼルエンジン搭載でフロントが重めではありますが、FRらしい回頭性の高さも感じられます。
フロントヘビーの恩恵か、以前1.5ターボ+マイルドハイブリッドのC200 BSGモデルに試乗させてもらった時には感じられなかった、フロントの路面との接地感が濃くなっていて程よい反力を持った回頭感があります。
個人的にこのディーゼルエンジンによるフロントへ与える負荷のフィーリングが好きみたい。
路面との接地感が強く乗り味も濃くなるので楽しさもあります。
軽快でFUNな楽しさとはまた違う世界ですね。
175センチの私のドラポジで膝前空間はこれ位。充分な広さが確保されています。
背もたれは充分な広さがありますが、後席シートの座面長は少し短く着座感は少し落ち着かない。
フロントシートの下に足は入りにくい。
乗り心地
乗心地も素晴らしく良くてですね。
AMGラインが設定されているのでエアサスなんですが、ここもディーゼルエンジンの重さが効いてる印象です。
C200の2WD/FRと比較すると約100㎏程C220dの方が重たいので、エアサスのフワフワ感がC200より抑えられてシットリした印象になっていると思いました。
タイヤが路面を追従している感じが分かりやすいというか、なぞるようにトレースしてて脚が良く動いてるのが分かります。
ボディー剛性が高く安定してるからこそのフィーリングですね。
C200は対して滑るように走る感覚が強く車重が軽い分でタッチが軽くなり、それがフワフワに繋がっているような気がします。
以前C200 2WD/FRに試乗させて頂いたときはフワフワに酔ってしまったので、C220dの方が体質にも合っているみたい。
後席のエアコン吹き出し口、アクセサリーソケットの設定があり、ユーティリティーはOK。
センタートンネルの張り出しが凄いので後席は実質2人と考えた方が良さそう。カーペットのエンブレムの質感も高い。
コーナリングの時の車両の姿勢変化も実に自然。
基本的には柔らかいタッチでコーナーでは若干ロールするような感覚もあるんですが、しっかりと芯があって硬質感も持ち合わせているように感じられます。
ディーゼルになることで絶妙なマッチングになってるのかなと解釈しました。
コーナリング中の揺すられ感や切り戻し中の揺すられ感も無く気持ち良く曲がれますが、先ほども書いたようにちょっとしたカーブでステアリングのどっしり感が重く感じることもありました。
美しいインパネデザイン、ラウンドしたダッシュボードやセンターコンソールのデザインが素敵です。
こちらは新型CLA、インターフェースの大型液晶パネルの印象もありますが、全体的に直線的な印象。
少し登りになっている橋を渡るシーンで強めの加速を試します。
音は気持ちよく回る音質をキープして唸るようなそぶりもありません。
強めに踏み込んでもあくまでジェントルなラインを外れることなく加速。
速いとか、刺激を求めると少し物足りなさはあるかもしれない加速感ですね。
レザーエクスルーシブパッケージ¥458,000を付けるとBurmesterサラウンドサウンドシステム(13スピーカー)付だと前後ドアのスピーカーカバーが質感の高い仕上がりになります。またシートベンチレーションも設定があります。試乗車は設定が違います。
アドバンスドサラウンドシステム(9スピーカー)ですとこんな感じ。充分質感高い。
今回は一人試乗になったのでまた少し長い距離を走らせて貰ってたんですが、乗ってて思うのは体に馴染んでくるような感覚が強かったです。
リラックスして運転できるクルマ。
一人試乗の時はボイスレコーダーに向かって感想を話しながら運転してますが、馴染み過ぎて後半何もしゃべってませんでしたw
こういうのも何気に重要かもですね。
ブレーキの制動力も良く、停止まで操作しやすいブレーキでした。
ラゲッジルームはワゴンの魅力。広い面積が荷物の出し入れを楽にしてくれます。
スマートキー携帯状態でリヤバンパーに足をかざして開閉できるキックタイプのパワーバックドア。ランプも備わってます。
クルマに何を求めるかで甲乙付けられない良さがどちらにもありますが。
こうやって感じていくと特にBMWとメルセデスは対極にあるような印象です。
特に大き目のDセグメントからのブランド毎の性格が違っていてとても面白い。
考え方やブランディングの違いがモデルに明確に表現されているように感じられます。
左右のピラーにもランプが、使い勝手も良く考慮されてます。
後席を倒すとこのくらいの角度です。
このパーツがちょっと気になります。
ドライブフィールは以上です。
まとめ
Cクラスのステーションワゴン、ディーゼルエンジンモデルのC220dの試乗レポートでした。
伝わるインフォメーションに一貫して上質なフィーリングの感じられるモデルでした。
ディーゼルエンジンのフィーリングも不快感ゼロで気持ち良く回るエンジン。
エアサスのセッティングもディーゼルエンジンのガソリン+約100㎏が良い方向に働いている印象です。
フワフワ感が無くなり、シットリした乗り心地の演出に一役かっていました。
AクラスやBクラスは基本的にリヤサスがトーションビーム化されクルマの性格も小気味よいスポーティな味付けですが、Cクラスからは上質方向に転換されます。
その分運転の楽しさや刺激と言った面での印象は薄いですが、落ち着いた余裕のある走りを楽しめる良いクルマでした!
さすがメルセデスの売れっ子モデルですね。
以上です。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
Cクラスステーションワゴンの公式HPです。