【プジョー508ガソリンターボ試乗レビュー】ダウンサイズターボの極み!?

508セダン 1.6ℓガソリンターボ GT Line ドライブフィール

 

今回の試乗車は左側。右はGT(2.0ディーゼル)

 

プジョー508の1.6ℓガソリンターボモデルの上級グレードGT Lineの試乗をさせて頂きました

試乗車はセレベスブルーというボディーカラーで国産車ではなかなか見られない色。

先日更新した試乗日記でも紹介しましたが、絶妙なブルーグリーンという感じで美しい自然の色を連想させる素晴らしい色だと感じました。

欧州車は色使いや多彩なボディーカラーも魅力ですが、フランス車は特に良い感じのカラーを作り上げてきますね。

同じ赤でもマツダのソウルレッドとはまた違った華やかさも感じられる赤色等、魅力的だと思います。

 

 

「セレベスブルーが良いから508を買う」という方もいるかな?いないかw

508はディーゼルモデルのレポートで内外装や装備等報告済。

今回は1.6ℓガソリンターボの乗り味を中心にレビューしたいと思います。

 

 

試乗車紹介

 

プジョー508グレード・価格

 

全モデル 2WD・FF 8EAT になっています。

 

■ Allure (アリュール) ¥4,170,000  1.6ツインスクロールガソリンターボ

■ GT Line ¥4,590,000  1.6ツインスクロールガソリンターボ ←今回の試乗車グレード

■ GT ¥4,920,000  2.0ディーゼルターボ 

 

 

国産車プラスアルファという感じで非常に有り難い価格設定

しかもデザイン性にも優れて車内の質感も高い。

本国では今後プレミアムに追従する方向性も示しているのでこの価格帯で購入できるのは今後数年だけかもしれません。

近年のボルボのような急な値上げはしないで欲しいですが。

どうなるでしょうね。

 

プジョー5081.6ℓガソリンターボ スペック

 

今回の試乗車※フルパッケージ付でのスペックです。

※ナッパレザーシート、ナイトビジョン、フルパークアシスト、360°ビジョン、パノラミックサンルーフのセット

 

 

1.6ℓガソリンターボモデルは180馬力、250N・mという数値。

ピュアテックと呼ばれるこのエンジンは1.2ℓと今回の1.6ℓが存在していますが、過去にエンジンオブザイヤーを連続受賞するなど優れたパワートレインです。

今回の試乗でも吹き上がり良く気持ちの良い加速を体感できました!

 

ファストバックスタイルセダン!めちゃかっこいい!

 

ボディーサイズは全長4,750㎜×全幅1,860×全高1,420㎜とDセグメントサイズ

ライバルは非常に多い群雄割拠状態ですが、抜群の個性と走りの質感の高さで頑張って欲しいですね )^o^(

 

プジョー508 1.6ℓターボ ドライブフィール

 

以前、ディーゼルの乗り味の記事も書いているので、今回は趣向を変えて自動車ジャーナリストさんチックに進めていこうかなと。

クルマの評価部分に関しては勿論私の感じたままです。

では一緒に試乗に行きましょうw

 

プジョー508GT Line試乗

 

 

試乗に出発する少し前に着信があった。

プジョーの営業さんからだった。

内容は本日予定していた508と308の試乗車のうち308がディーゼルになるという内容。

他のメーカーさんも気を使ってはくれるが、こちらは特に丁寧に対応してくれる。

取材目的の私にもしっかりと配慮して対応して下さる。

「こういったコミュニケーションの仕方は常に忘れてはいけないな」と有り難く、身に染みる

今回はフラッグシップセダンの508GTLineを短時間ではあるが試乗させて貰うことになっている。

約束の時間が近くなったので、ディーラーさんまでクルマを走らせた。

愛車のスバル・レヴォーグで自分自身の感覚を確認しつつだ。

 

ディーラーの気持ち良い対応

 

 

ディーラーに到着すると、営業スタッフの方が総出で出迎えしてくれる。

これは販社の方針か?はたまたメーカーがそういった対応をディーラーに求めてるのか?

いずれにせよ、お客さんの店舗に対するイメージはかなり良い方向に印象付けられるだろう。

最初のインプレッションは非常に重要だ。

 

試乗車GT Line

 

 

用意して頂いた試乗車の508GT Lineはガソリンの上級モデル

今回で508を見るのは2回目だ。

前回は2.0ℓディーゼルターボのGTに試乗させて頂いた。

外装等は殆ど同じだが、今回のボディーカラー「セレベス・ブルー」の色は軽い衝撃だった。

 

 

国産車では見られない色合いでクラシックとモダンが上手く調和した508のエクステリアを一層印象深い物にしている

このクルマは街中で走っていても様になるとは思うが、郊外の田舎道を走らせても相当絵になる、溶け込むクルマだろうなと感じた。

ファストバックスタイルの508セダンと非常に相性が良い素晴らしいボデイーカラーだと思う。

 

 

クルマのキーを頂きドアを開けると、注1※フルパッケージという¥650,000のオプションの付いた内装が出迎えてくれた。

張りと艶のあるナッパレザーがふんだんに使用されたシートは格別。

そのシートに着座するとしっかりとしたウレタンの硬さとホールド感を感じることが出来る。

シートの縫製パターンも拘りが感じられる仕上がり、これは所有満足度も満たしてくれるだろう。

 

ファーストインプレッション

 

 

エンジンスタートスイッチを押すと、ドゥゥンと抑えた音でエンジンが始動。

アイドリング音はかなり静かだ。

1.6のガソリンターボだが、この大きな508の車体に対して小さすぎないか?と感じていたがそのイメージはすぐにかき消されることになる。

 

ステアリングの上から覗く12.3インチヘッドアップインストルメントパネル、視認性の高いメーター。

 

ディーラー駐車場を出て試乗に出発する。

ステアリングの操作感は低速では軽めに躾けられているが、操作に対する車両の動きはダイレクト感のある仕上がりになっている。

これが中・高速になると少し重めの操作フィールになる速度感応型が採用され速度域に応じたステアリング制御

異形・小径のステアリングは賛否分かれそうだが、個人的には全く問題がない。

というより独特のフィーリングを与えてくれる、むしろ好みな操作感と形状だ。

 

コーナリング

 

GT Line専用18インチアルミホイール(HIRONE)

 

すぐに信号待ちで停車、青信号になり交差点を右に曲がっていくと軽く鼻先が向きを変えていく。

ディーゼルの旋回性能も悪くなかったがガソリンエンジンの軽さの恩恵は感じられた。

欲を言うともう少しスッと鼻先が向きを変える旋回フィーリングになると良い

 

加速フィーリング

 

GT Lineは左右2本だしマフラー。

 

交差点を抜けて加速していくが、かなり軽く速い加速感。

1.6ℓ4気筒ターボエンジンだが、少しの雑味を感じる音質は最初だけだった。

その後はフゥォォンと軽く滑らかに回っていく、気持ちの良いエンジン音だ。

体に感じる変速ショックは1速~2速の繋ぎ時のみ、そのショックも至って軽微なもので、その後はスムースにテンポよく加速していく。

印象としては「軽い、速い」これに尽きる。

Dセグメントに属し1.5tを超える508の車体をいとも簡単に法定速度まで引っ張ってしまう、素晴らしい加速

 

同社504をイメージして配された508ロゴ。クラシカルな雰囲気を与えてくれる。

 

ダウンサイズターボと言うとフォルクスワーゲンの1.4ℓターボがパッと思いつくが、そのエンジンよりもさらに上質なフィーリングを感じさせてくれる。

排気量でいうと0.2ℓだが、気持ち良さという点についての差はかなり大きい。

ダウンサイズターボという言葉が出始めて久しいが、このエンジンはトップクラスの出来だろう。

 

静粛性・ロードノイズ

 

フルパッケージのみで選択できるサンルーフ。単体でのオプション選択を設定して欲しい。

 

しばらく走っていると、少し気になったのはロードノイズ

クルマの静粛性が高く、エンジンが静かに回ることで耳がロードノイズにフォーカスしてしまう。

ディーゼル試乗時には気にならなかったので、エンジンの違いによるものだと思う。

先日508SWというワゴンタイプが設定されたが、その見積もりを貰った限りではGTとGT Lineで約16万円程しか実質的に差が無いため試乗はガソリン・ディーゼルどちらもされることをお奨めしたい。

(508と508SWは同グレード展開で装備も同じ)

 

乗り心地

 

 

もう一つ、ディーゼルからガソリンになったことが要因として挙げられそうな気になるポイントとして、乗り心地の違いがあった。

508は注2※アクティブサスペンションという路面状態をセンサーで感知して最適な減衰力に調整する電子制御式のサスペンションをプジョーとして初めて採用している。

これによりディーゼル試乗で「プジョーの猫足とはこれか!」と唸るようなしっとりとした乗り心地が実現されていた。

しかし、今回のガソリンでは硬さが目立つ場面が多く「強めに付き返してくるな」と感じるシーンが多いのが気になった

足が妙に突っ張っている感覚

 

ディーゼルモデルGT。

 

疑問に思ったのはガソリンとディーゼルで減衰調整の設定数値が同じなのだろうか?という点。

もしそうだとしたならば、明らかにフロントが重いディーゼルメインで設定したことにより軽いガソリンエンジンになった途端に印象が変わってしまった、という可能性が出てくる

これはメーカーにも減衰に関する設定は問い合わせていないので確認取れ次第こちらで加筆しようと思う

 

 

暫く走っていると、このクルマの視界の良さにふと気が付く

全高も低く、ボンネットも特別薄いわけではないのにこの視界は立派だ。

すれ違いに少し気を使う道も走ってみたが、全幅1,860㎜ある大柄なサイズでも怖さが少ない。

この辺りの感覚は購入して色々なシーンを走行する時に重要なポイントになると思う。

 

プレミアムサウンド「FOCAL」

 

センターポイントがインテリアのワンポイントになる。

 

今回の試乗車GTLineと、ディーゼルのGTにはフランスの老舗オーディオメーカー「FOCAL」のプレミアムサウンドシステムが搭載されている。

前回のディーゼル試乗時は試せなかったので、今回は忘れず音質を確認した。

ラジオではあるが、バラードの曲が臨場感高く車内に響き渡る

高音から低温までクリアで重厚感も感じられる音質だった。

 

スピーカーカバーも専用のものになり質感もUPする。

 

個人的にはボルボのオーディオが好きなのだが、重厚感という点で「FOCAL」は一歩及んでいない印象

しかし、上級グレードとは言えプレミアムサウンドが標準で搭載されるのはユーザー側としては非常に好印象であるのは間違いない。

 

ブレーキフィール

 

日本刀好きなデザイナーによる508のデザイン。確かにインスピレーションされていそうだ。

 

試乗後半から気になったのが、ブレーキペダルの「ペコペコ感」

以前レポートした、同社人気のSUV3008のレビューでもお伝えしたが、踏んでから若干の遊びが・・・・と書いたがこれはペダルの剛性感が少し低いと感じるところから来ているようだ。

制動力は申し分なく高いので勿体ないポイントだろう。

ペダルのレイアウトも含めて次期モデルチェンジの時はこの辺りの煮詰めにも期待したい。

 

 

ガソリンターボは加速の良さ静粛性は良かったが、仕上がりとしてはディーゼル程の完成度は感じられなかった。

 

ディーラーでも508が見れる。こちらは特別仕様車FIRSTEdition、60台限定のレア車。

 

ディーラーに戻って営業さんと少しクルマ談義。

引き続き308の試乗と508SWの見積もりをして頂き、次の試乗予約したBMWへと向かう。

ディーラーから離れる時も私のクルマが見えなくなるまでスタッフの方がお見送りして下さる。

色々ディーラーを回っているがこの対応をされるのはプジョーディーラーだけだ。

これは素晴らしい事だと思う。

もし自分がユーザーになった時どのような対応をしてもらえるのか容易にイメージさせてくれるから。

 

 

注1※フルパッケージ・・・ナッパレザーシート、ナイトビジョン、フルパークアシスト、360°ビジョン、パノラミックサンルーフのセット

注2※アクティブサスペンション・・・フロントはマクファーソンストラット式、リヤはマルチリンク式のサスペンションに、電子制御アクティブサスペンションを組み合わせ、路面、走行状況に応じてショックアブソーバーの減衰力をリアルタイムでコントロール。

 

まとめ

 

508の試乗記は2回目なので今回はジャーナリスト風にお伝えしました。

 

 

プジョー508、基本的には非常に良く出来てるプロダクトですが、ガソリンとディーゼルで乗り味はかなり変わってきます

特に乗り心地、ロードノイズの2点は違いが顕著だと思います。

乗り心地はタイヤが馴染んでくると多少良くなる方向かもしれません。

いずれにせよ、検討されている方はディーゼル・ガソリンどちらも試乗されることをお奨めしたいですね。

ガソリン欲しいけど、ディーゼルしか試乗車が無い時にディーゼルが良かったから後は静かさの違いだろうと決めてかかると「あれ?」ってことになり兼ねないので。

 

 

以上でプジョー508の1.6ガソリンターボGT Lineの試乗レビューを終わります。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。

次回もチェックして貰えると嬉しいです。

 

 

508のディーゼルの試乗レビューとインテリアの記事です。

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