おだやかではないけど・・トヨタ【ヤリスクロス HV Z E-Four試乗レビュー】

トヨタ新型ヤリスクロスHV Z E-Four ドライブフィールレポート

2020.10.11更新
2020年フルモデルチェンジモデル

 

新型のヤリスクロスに試乗させて頂きました!

試乗車は最上グレードモデルのHV Z E-Four(4WD)¥2,815,000。

ボディーカラーはホワイト×ブラック¥77,000の2トンカラー。

以前見積もりの記事もアップしてまして、このグレードの見積もりも貰っているので良かったら読んでみて下さい。

 

別ウィンドウで開くので、後で読んで頂けると嬉しいです!

WONDERFUL CAR LIFE

トヨタ新型ヤリスクロス車両価格・1.5X、1.5G、1.5HVG、1.5HVZの見積もり紹介 2022.2.23更新 2…

 

 

今回はヤリスクロスのドライブフィールレポートを中心にお伝えしたいと思います。

簡単に感想を言うと、トータルではセグメント相当の動的質感という感じです。

装備はセグメント超えてる部分も多いですが、いかんせん静粛性の部分で音の盛大↗静か↘の波が大きいんですよね。

実際「色んな音が大き目に聞こえてくる」とも思うのですが「HVの恩恵で静かな時もあったり」で「静騒が両極端になり余計に気になってしまう」という悪循環になっている印象でした。

ちょっと(割と?)辛口な部分もあるかもしれませんが、ご理解頂ける方は続きをご覧になって頂ければと思います。

 

 

新型ヤリスクロス 価格一覧

 

ヤリスクロスは1.5ℓNAエンジン、1.5ℓのHVのパワートレーンが設定されています。

 

1.5ガソリンモデル

消費税10%込価格

グレード/駆動方式2WD/FF  →¥231,000プラス4WD
X”Bパッケージ”¥1,798,000

↓¥98,000プラス

¥2,029,000
X¥1,896,000

↓¥124,000プラス

¥2,127,000
G¥2,020,000

↓¥190,000プラス

¥2,251,000
Z¥2,210,000¥2,441,000

 

1.5ハイブリッドモデル

消費税10%込価格

グレード/駆動方式2WD/FF →¥231,000プラスE-Four
X¥2,284,000

↓¥110,000プラス

¥2,515,000
G¥2,394,000

↓¥190,000プラス

¥2,625,000
Z¥2,584,000¥2,815,000

 

 

ツイートもしましたが、装備も充実しているので良い所はいっぱいあります。

それと引き換えなのか?という感じで動的質感では気になる所が散見されるという印象でした。

 

新型ヤリスクロス HVZ ドライブフィールレポート

 

ドアの開閉感

 

ドアの開閉フィールは軽めの感じですね。

セグメントなりの開閉フィールの範疇ではありますが、チープな感じでもなかったです。

消音材が詰まってる重さではなかったので、ヤリス同様風切り音くるか?と予想。

 

 

ドアトリムは広い面積でファブリックが設定されていて質感に配慮はされているなと思いました。

しかし、この内装カラーは色々気になる感じ・・・

ボチボチその辺りも書いていきます。

 

 

センターのディスプレイオーディオの出方は少し気になりましたが、慣れで解決できるでしょうか。

 

 

視界性能

 

Aピラーの死角は大きめなので、これは怖いシーンが出てくると思います。

欧州車全般もこの取り付け方法が多くて、私のプジョー・3008も同じです。

実際ヒヤッとしたことありますのでご注意ください。

 

 

ブラインドスポットモニターもオプションではありますが、設定があるので嬉しいですね。

個人的にはかなり重要視してます。

 

 

後方視界は割と良いかな。

ヤリスではもっと閉塞感あったんですが、ヤリスクロスはブラウン内装だと薄れるかもしれませんね。

 

 

ドライブポジション

 

運転席

 

ドライバーシートに着座すると低い視点に出来るので好印象。

視点高いモデルもありますが、コンパクトSUVに乗るメリットの1つかなって思います。

今はSUVが全盛なので、選べる車種は豊富、でも腰高な着座感は苦手という方も多いはず。

最上グレードのZなのでブラウン合皮とツイードのような色味のファブリックとのコンビシート。

近くで見るとこのツイード系のファブリックに青色が織り込んであるんですが、これが実家の座布団みたいでちょっと微妙な感じ。

 

 

柔らかめのウレタンやサポートの感じで面で受け止められる感覚。

着座感も至って普通な感じですね。

女性に好まれそうな感触かな?

 

 

中央の部分だけビニール感が強くなります。

このライン模様を表現するために、この素材になったのかもしれません。

んー、サイドとかヘッドレストと同じ合皮で良かったのでは?と思ってしまう。

 

 

1モーターのパワーシートについて

 

最上グレードのZにのみ設定される6Wayパワーシート。

通常であれば2~3モーターを使って駆動するところを軸の工夫で1モーターで駆動しています。

その分コストは落とせますから、Bセグメントでもパワーシートの設定が出来ています。

 

 

しかし、引き換えに可動音は盛大ですw

ヴゥゥーーという音が車内に響いて、営業さんも苦笑い (^_^;)

 

 

正直煩いので、手動で良かったんじゃ?と思われそうですが、

私はここに今のトヨタの余裕みたいなものを感じたんです。

このモーター音は明らかに大きい。

普通、これなら量産化しないはずだと思うんですよね。

でも、1モーターで6wayを動かす、コストは下がる、Bセグメント、それに対するユーザーの意見は?どういうリアクションが集まる?

折角考えてコスト下げる一手を考えたんだから「1回出しちゃおうよ」←これですよ。

この音なので、絶対最後はこの考えというか「エイヤっ」的な勢いがあったと思うんです。

今のご時世でチャレンジできるのは健全というか、良い感じがしませんか?

今回は煩かったですが、次のモデルは静かかも?しれませんしね。

この音が我慢できない方はGグレードを購入すれば良いだけの事です。

 

話反れましたが、

 

 

パワーボタンを押すと、ハイブリッドらしく静かな立ち上がり。シングルエアコンの音が静かに車内に広がります。

ハイブリッドの良さを感じられる所。

少しモーター音は聞こえてきますが、気になるものでもありません。

 

Zはオプション¥99,000でALH(アダプティブLEDヘッドライト)が設定可能

パノラミックビューモニターが付いている車両でステアリング右のVIEWボタンを押します。

すると車両周辺がグルッと確認出来る画面が。この機能は新型のハリアーにも付いてる機能、実用性はどうでしょうね。

 

ステアリングフィール

 

一般道に出て行きますが、ステアリングは柔らかい操作感。

トヨタって感じの操作しやすい躾。

操作に対する車両の追従性は緩めで、少し遅れて付いて来ます。

18インチ履いてるのでもう少しグリップとダイレクト感が欲しいかな。

「先行レビューでジャーナリストの方々が結構褒めてたけど、やっぱりサーキットを高速走行すると色々感じ方違うんか?」という考えが浮かびました。

 

Zはグリルがグロス塗装

 

音が気になり始める・・

 

道が混んでたので最初は低速で走行、モーターで走る事が出来たので少しロードノイズが聞こえるなって言う程度。

信号で捕まって左折、前が空いたので加速をスタートした時、「ゴロゴロごろー」とエンジンが回り始めます。

「おぉー??」めっちゃエンジン音

これはなかなかの音量で聞こえてくる・・・

モーター走行からエンジンが始動した直後、3気筒のエンジン音がかなり主張してきますね。

クリアな音質であれば良いのですが、ガサツでこもった感じのエンジン音なので気になります。

この音は試乗終盤には主張が薄れてきたので、エンジンが温まってくると感じ方が変わりそうではあります。

予想した風切り音も初めに少し感じましたが、エンジン音の印象が強すぎて (^^;

 

バック時の画面です。画面は精細で見易いと思いました。

左上にセンサーの反応が出ます。BセグメントSUVで惜しみなく安全装備が設定されているのはヤリスクロスの素晴らしいポイント。

 

ロードノイズ

 

初期加速のエンジン音が収まると、次はロードノイズが顔を出します。

特に荒れた路面でのゴーという音が車内に響き渡るのは気になりました。

Zの18インチホイールはこのクルマには過剰スペックじゃないかなぁ。

215/50R18なのでトレッドが50しかありません。

ノイズリダクションの機能をホイールに付けるとかしてあればもっと良くなるのかもしれませんね。

見た目が凄く良いので、お洒落として音は割り切る部分なのか。

とりあえず、穏やかではないですね・・・

Gグレードの205/65R16のノイズがどんな感じなのか確認してみたいと思いました。

 

リアフェンダーの造形が良いですね

ライン上に光るテールライトも好みです。ブラックガーニッシュの主張が少し強いので、ブラックのボディーカラーが良さそう。

やはり良き♪個人的にはブラックめっちゃ好きでした。

 

加速フィール

 

加速フィールもパワフルでは無かったです。

Zには色々装備が付いてるので車重が1,270kg(試乗車はハンズフリーパワーバックドアが装備されているので1,280kg)

ハイブリッドシステムの最高出力は116PSなので、重さは感じます。

ちょっとした坂道でもヴーーとエンジンが唸っていたので、少し強い勾配はしんどい感じで駆け上がる事になりそう。

そういう事を重要視してないクルマだというのは重々承知はしてるんですけども、割り切り方がスゲーなって思ってしまいます。

 

アンビエントライトもZの装備

エネルギーの回生フローモニター

 

欧州でもヤリスクロスは販売する予定だというのを何かの記事で見ましたが、このパワートレーンで行くのか?

カローラシリーズに搭載されている1.2ターボ辺りを積んだ方がキャラにも合う気がしましたね。

装備が充実してるメリットが音や動力性能の物足りなさで完全に隠れてしまうというか。

めっちゃ勿体ないんです。

多分ですけど、

・ドアの吸音材・エンジンの遮音性向上→コストアップ

・17インチタイヤ採用→コストダウン

・もう少し、オプション体系を見直して削減し生産コストを下げる→コストダウン

くらいの調整で音の部分を対策すると良さそうかなぁ?って思いました。

見た目のカッコよさも良いですが、過剰スペックはメーカーのみのメリットになる気がします。

 

215/45R18なので薄いゴムがロードノイズの原因の一つかと

タイヤはダンロップのエナセーブ

 

ブレーキフィール

 

トヨタのハイブリッドシステムのブレーキフィールは凄く好みで、ヤリスクロスも同じく良い感じ。

ブレーキを踏むとエネルギーを回収するためにやたら初期制動が強く感じることがありますが、その違和感は殆ど感じられません。

しっかりとした制動力と細かくコントロールしやすいブレーキタッチで好印象です。

全高もあまり高くありませんのでノーズダイブになる感覚も少ないのもGoodでした。

 

このプレートは何だろう?

照明付きバニティーミラーもZのみの装備。女性は欲しい方が多いでしょうか。

 

乗り心地

 

しばらく乗りながら改めて乗り心地に意識を集中してみます。

路面の凹凸を細かくコトコトと拾ってタイヤが細かく反応します。

不快感を伴うような感じではないのですが、割と常にコトコト来ますので気になる方もいらっしゃるかもしれません。

私は全然許容範囲でした。

4WDになるとダブルウィッシュボーンなのでまだ良かったのかも知れませんが、FFでトーションビームと18インチの組み合わせになると突き上げは気になる可能性も出てきそう。

ヤリスクロスは色々レビュー出てるみたいですが「このクルマは色んな組み合わせを試乗するのが特に良さそう」なクルマだと思いました。

 

GになるとフロントのフォグランプもLEDではなくなります。

Gの16インチはタイヤがヨコハマだったので少し柔いのかも?その分乗り心地は良いかも?

 

乗り味が一番良いグレード予想

 

今回Zの試乗車でヤリスクロスを感じてみて、乗り味が良いグレードを予想してみました。

私が良さそうだと思うのは「1.5ガソリンモデルのGグレード、FFモデル」です。

このグレードであれば、

●ハンドリングの緩さ→トーションビームで解消

ステアリング操作に対してコンパクトSUVに期待したいキビキビ感が薄い感じがしたので、直進性やダイレクト感が高く感じやすいトーションビームの方がキャラには合ってる?

●乗り心地・ロードノイズ→16インチタイヤで解消

18インチはオーバースペックに感じましたし、扁平が45のタイヤによりロードノイズを拾い易くなってそう。16インチなら扁平65になるのでかなり低減される?

しかしながらHVモデルは床下のフルアンダーカバーが付いてるのでロードノイズの印象は変わらないかも。

●エンジンノイズ→ハイブリッドからNAになることで音の強弱が気にならなくなる?

ここは微妙なラインですが、ハイブリッドはモーターからエンジンにつながる時の主張が大きいので通常のガソリンならあまり気にならなくなるのでは?と思います。

 

このような理由から上記グレードとパワートレーンが良いんではないか?と思いました。

 

実際乗れてるわけではないので参考までにお願いします。

 

試乗レポートは以上です。

 

最後にラゲッジルームを見た感想で終わりにしたいと思います。

 

新型ヤリスクロス 使い勝手、ラゲッジルーム

 

ヤリスクロスの注目ポイントしては、コンパクトなサイズにアイデアと優れたユーティリティーが詰まっている事だと思います。

そのあたりをチェックしていきます。

しかし、後席の足元空間は広い感じではなかったです。

SUVになると空間効率が上がるので、ヤリスから少しは広くなるか?と予想していましたが、変わってなさそうです。

 

 

175cmの私のドラポジでこれ位の膝前空間ですね。

意外と広さあるように見えるんですが、シート形状もあるのかリラックスした姿勢はできなかったです。

 

 

シート下には足はしっかり収まります。

 

 

センタートンネルの高さは足の甲位ですね。

一応

5人乗りですが、後ろに3人乗るのはキツイサイズ感。

 

 

背もたれの高さはしっかりとあります。

平板感はありますが、悪い感じはしませんでした。

 

 

ヤリスクロスで良いのが、Gグレードから採用される4:2:4分割可倒とこのアームレストですね。

 

 

これはアイデアですよね。

このアームレストの感じは他メーカーでも採用はあるんですが、コンパクトSUVに採用されているのは珍しいと思います。

コンパクトSUVが人気な背景の一つとして「必要以上のサイズは求めない」という考えの方が増えたこともあるんじゃないかと。

 

 

お子さんが小さいファミリーの要求を満たすセグメントとして大いに期待されている部分をちゃんと拾い上げてきたのがヤリスクロスではないでしょうか。

普段遠出はしません、走りはあまり気にしません、家族がある程度快適に、そこそこ荷物も積めて、現在の安全装備もしっかりとというクルマがヤリスクロスというメーカーの答えの一つなんでしょうね。

 

 

そして驚くべきはこのサイズのSUVにハンズフリーパワーバックドアの設定もあることです。

G~ではありますが、これも珍しい。

あと作動スピードがハリアーより速いのは良いポイントだと思います。

 

 

 

バックドアのフレーム内側はルーフのカラーと同色になります。

 

 

ラゲッジ容量は通常で390ℓ。

優秀な積載量を確保されています。

さすがにラゲッジ側にシート可倒レバーの設定はないですが、ラゲッジの奥行きは短いので手が届きます。

背の低い女性の方だと難しいのかな?

 

 

ハイブリッドにはアクセサリーコンセント(AC100V・1500W)¥44,000が設定可能です。

災害時の緊急電源としても使えるみたいですね。

 

 

ラゲッジ床下はこんな感じです。

ラゲッジボードは2WD/FFのG以上になると分割で使える仕様になります。

 

 

後席を倒すとかなりの広さになりますが、全長短いので車中泊となるとキツそうな感じがします。

実際どうでしょうね?

子育て終わったご夫婦が気ままに車中泊旅とかで使いたいとかあるでしょうか。

いや、体痛すぎるか。

 

 

横からみるとこれ位の角度が付いてます。

 

以上です。

 

最後に

 

 

新型ヤリスクロス、機能等は申し分ない一方で走りの質に関しては気になる部分が多かったです。

特に音の部分はやたら音に敏感な私ではなくとも、色々気になる方は多いんじゃないか?と思いました。

これまで試乗させて頂いて感じるのは、ある程度全てのバランスが取れていて、そこからさらに秀でた部分があるクルマ(モデル)がお薦めできるかな、という事です。

 

 

ヤリスクロスのZに関しては、そのバランス(機能、動的・静的質感)が極端な気がしますね。

メーカー側の「てんこ盛りにしてお得感出したい良心」も感じるんですが、うまくバランスが取れていなくてチグハグした印象を与えてきます。

機能のお得感があるクルマも良いと思いますが、自分がどういうクルマを求めているのか?という事を改めて考えてみて、視野を広げて「クルマ選びを楽しんでもらいたいなぁ」という思いがあります。

 

ちょっと辛口な内容が多くて申し訳ない気持ちもありますが、忖度無しでやってますのでご了承ください。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

 

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