シトロエンC5AIRCROSS エクステリア、ドライブフィールのレポート
初めてシトロエンのクルマに試乗させて頂きました!
今回試乗させて頂いたのは、新型C5 AIRCROSS(エアクロス)¥4,240,000というミドルサイズSUV。
お邪魔したのは「シトロエン新潟」さん。
先に試乗させて頂いたフォルクスワーゲン・ゴルフ・ALLTRACKの試乗帰りの通りすがりにC5エアクロスを発見!
速攻Uターンしてアポなしで突撃したのですが、ものすごく快く試乗・撮影させて頂きました。
ありがとうございました!
今回はシトロエン・C5・AIRCROSSのエクステリア、ドライブフィール、のレポートをします。
C5エアクロスは実用的なサイズと、ポップでキュートな見た目とは違い、かなりドッシリしたグランドツーリング向けのSUVになっていると思いました。
CITROENのC5エアクロスに試乗させて頂きました!
プジョー3008とはまた違った個性を持った乗り味で、興味深いクルマです😄
運転楽しいとかではないですが、スゴク良い! pic.twitter.com/7kCAlHmYif
— UU (@WCLBlogAuthor) 2019年6月8日
試乗・撮影車両 紹介
グレード・価格
C5エアクロスはSHINE¥4,240,000というグレードのみとなっています。
ここに※ナッパレザーパッケージというオプションが付いたモデル¥4,600,000も設定があります。
※■パノラミックサンルーフ(電動メッシュサンシェード付)■アルミペダル・ナッパレザーシート■運転席ランバーサポート(電動)■運転席マルチポイントランバーサポート(マッサージ付き)■ツートーン ナッパレザー革巻ステアリングホイール■フロントシートヒーター
国内のシェアも少ないからか、かなり簡素なグレード展開ではありますね。(そもそもそんなに売ろうとしてない?)
このディーゼルモデルの売れ行き次第、もしくは遅れて1.6のガソリンターボモデルも登場するかもしれません。
というのもシトロエンの属するPSAグループの主力エンジンとして、2.0ℓのディーゼルエンジンと、1.6ℓのガソリンターボエンジンが存在しているからです。
1.6のガソリンターボのプジョー3008もすごく良いので、搭載モデルが出ればもう少し金額も下がり結構受けるかも?
今回は2台のC5エアクロスを撮影させて頂きました。
試乗車
グレード: SHINE
ボディーカラー: グリ プラチナム(グレー×レッド×ブラック)
内装カラー・シートマテリアル: ライト&グレー・ハーフレザーシート
車両本体価格:¥4,240,000
展示車
グレード: SHINE ナッパレザーパッケージ
ボディーカラー: ブラン ナクレ(ホワイト×レッド×ブラック)
内装カラー・シートマテリアル: ブラウン&ブラック・ナッパレザーシート
車両本体価格:¥4,600,000
ちょっと概要
先程もプジョー3008の話を出しましたが、シトロエンはフランスの多国籍企業(プジョー、シトロエン、DS、オペル、ボクスホール)PSAグループの傘下企業です。
このPSAグループの代表はプジョーとなっています。
C5はプジョーの3008の兄弟車に位置づけられており、共通の「EMP2」と呼ばれるプラットフォームを採用しています。
プジョー3008
「EMP2」はプジョー508や、5008でも採用されているラージサイズ用のプラットフォームです。
軽量・高剛性が図られた優れたプラットフォームで、私もこのプラットフォームのクルマに何台か試乗させて頂いてますが、各モデル素晴らしい出来だと思います。
兄弟車なので色々共通化されてはいるのですが、C5エアクロスはしっかりとシトロエンのクルマとしての個性が与えられており、プジョー3008とは明らかに違う車に仕上げられていました。その辺りも記事でご紹介します。
ではスペックです。
C5エアクロス スペック
青文字はプジョー3008の数値
スペックはこのようになっています。
エンジンの出力や、トランスミッションの変速比等はプジョーのモデルと全く同じです。
3008の兄弟車ですが、C5エアクロスの方が車体寸法は大き目。
パッと目に付くのがホイールベースの違いで3008は2,675㎜に対してC5は2,730㎜と約60㎜程寸法が違います。
ホイールベース分全長も違う感じ。
この辺りは内装レイアウトにも影響あるので、後日更新予定のインテリア編でも紹介します。
PSAグループのクルマは基本的にFFベースで設計となっており、SUVでもトラクションコントロールで悪路も対応させる考え方。
実際の雪道等を走らせた事がないので評価できませんが、かなりの走破性を有しているという記述もあります。
C5エアクロス安全装備一覧
シトロエンの最新モデルの安全装備はどうなのか?
一覧にしました。
C5エアクロス公式HPより
安全装備 | 補足・コメント |
ハイウェイドライブアシスト トラフィックジャムアシスト | アクティブクルーズコントロール+レーンポジションアシスト統合システム 時速約30~180㌔で作動 渋滞追従機能有 |
アクティブセーフティブレーキ (被害軽減ブレーキ)/ ディスタンスアラート (夜間/サイクリスト検知) | 前方車両、障害物検知して回避動作がない場合に自動ブレーキ作動、衝突被害を軽減。 時速5~140㌔で作動。80㌔以下で停止車両、60㌔以下で歩行者。 |
アクティブブラインドスポットモニター | 斜め後方の後続車両検知、警告、ステアリング制御 |
トラフィックサインインフォメーション | 道路標識を認識して制限速度を表示 |
ドライバーアテンションアラート | ステアリングやアクセル操作に対するフラツキを検知し警告を発する |
インテリジェントハイビーム | カメラで前方の状況を判断し、ハイビームとロービームを自動で切り替え |
タイヤ空気圧警告灯 | これが標準なのがスゴイ |
コーヒーブレークアラート | 平均速度が時速約65㌔以上での連続運転が2時間超えるとコーヒーカップマーク点灯 |
安全装備はそこそこ揃っています。
アクティブブラインドスポットモニターにステアリング制御が付いているのは嬉しいですね。
これはまだ採用が少ない制御ではないでしょうか。
私の所有するスバル・レヴォーグではアラートのみでステアリングへの介入まではありません。
2019.6月の段階で調べた限り、国内のメーカーでは採用が無さそうです。
C5エアクロスには電子パーキングブレーキは採用されていますが、ブレーキのオートホールドはありません。
これは3008も同じなので仕方ないというか残念なポイントです。
ドライブフィールに移ります。
C5エアクロス ドライブフィール レポート
ドライブポジション
運転席(フロントシート)
フロントシートはC5エアクロス専用品です。
レザーパッケージが無いのでランバーサポートは手動タイプらしいのですが、気づきませんでしたw
その他は8wayのパワーシートとなっています。
骨格まで違うかは?ですが、ウレタンの配置やシート形状は全く別物。
四角いブロック形状にステッチが入っていますが、高密度ウレタンフォームで意外としっかりとしたクッション感です。
背もたれのサイドサポートはそれほどないのですが、体のズレるような事はありませんでした。
それよりもメイン部の張り出しがしっかりしていて、ランバー無くても背中のラインに添ってくる感覚。
ペダルレイアウト
「EMP2」プラットフォームの弱点だと思っているペダルのレイアウト。
ペダル全体が左にオフセットしたレイアウトになっています。
私がすっと足を伸ばすとアクセルペダルにほとんど足がかかりません。
マツダのペダルレイアウトを体感すると、かなり差を感じる部分 ^_^;
シートやクルマが良いのでとても勿体無く感じるポイントです。
助手席のグローブボックスの狭さと共にもう少し最適化に力を入れてもらえると嬉しい。
ドライブモードにECO・SPORTがありますが今回試せてません。
2.0ディーゼルのエンジン音
エンジンスタートスイッチを押すと2.0ℓディーゼルターボエンジンがグオンと始動します。
カラカラ音はそこまでないですが、アイドリング音は結構聞こえて来る感じです。
プジョーのクルマより車内のアイドリング音は聞こえる気がしました。
C5エアクロス乗り心地
ディーラー駐車場を出る時に段差を乗り越えて驚くのがショックの少なさです。
※「魔法の絨毯」とコピーの付いたダンパーの仕事なのか、かなりフワッとしたエアサスのようなクルマのニュアンスがあります。
※「魔法の絨毯」について
C5エアクロス公式HPより
シトロエン最新のダンパーの機構でプログレッシブ・ハイドロ―リック・クッション。
ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制しフラットライドを実現しています。
ダンパーの中にさらにダンパーがあるそうです。
他メーカーでもあるのかも知れませんが、私は初めて聞きました。
ラリー等で得られた技術がフィードバックされたものになっているらしく、かなり荒れた路面でも効果が発揮されるそうです。
グリップコントロールとの組み合わせなんかも気になる (^^)
ステアリング操作感
ステアリングの低速での操作感は軽めでSUVらしい少しおおらかな操作性です。
車両のダイレクト感はある程度残してあるので緩慢な感じはしません。
ダイレクト感が強いプジョー3008とは違うと感じます。
タイヤが路面をつかむトラクションがかかってる感じは結構あって、路面との接地感の高さは感じる仕上がり。
少し気になったのは、車両の感覚が掴みづらかったことでした。
全幅が極端に広いわけではないですが、ラウンドしたデザインが影響しているのかな?
慣れで何とかなりそうですが。
加速フィール
片側1車線の一般道を流していきます。
加速をするのにアクセルを踏み込むと、アイドリング音同様エンジン音は聞こえますね。
うっすらとフィルター通した程度なので、このエンジン音は気になる方もいらっしゃりそう。
一応遮音機能付の2重ラミネート構造フロント・サイドガラスになっているそうです。
一般道が混んでいたので余計に気になったのかもしれませんが、加速は少しターボラグのような間を置いて、スピードに乗っていく感じでゆったりしたイメージですね。
3008と同じ変速比なのですが、加速感に違いを感じました。
もう少しアクセルを踏み込めれば印象は違ったかもしれませんが、若干3008の方がアクセルレスポンスが良い?気がします。
プログレッシブ・ハイドローリック・クッションすごい
強調されているだけのことはあり、ダンパーの動きは良かったです。
ちょっとした段差はほとんど「ショック無し」でいなしてくれます。
ディーラーの駐車場から出る時に少し段差が高くなった部分を通過してしまったのですが、衝撃が上手く吸収され揺さぶり感なく収束したのはびっくり。
「魔法の絨毯」は伊達ではなさそうです。
その恩恵で嫌な突き上げは感じずに走れて、乗り心地は終始良かった。
フラットライドを感じさせてくれるのですが、滑るような走りでもなく、ちゃんと接地感は残っていてロードインフォメーションは伝わるので運転の楽しさも持ってますね。
この辺りはさすがのフランス車ということでしょうか。
柔らかいサスペンションなのでフワフワした感覚を伴うのですが、重厚感もあって酔う感じも無かったです。
エアサスの乗り心地にかなり近い印象。
ブレーキフィール
ブレーキングですが、ここはほぼ3008と同じようなフィーリングでした。
少し初期制動が強い感じで低速走行時だと効きすぎる気がします。
もう少し初期制動は弱いと扱いやすそう。
低速の街乗りだとブレーキを踏んでから少しだけ感じる「遊び」も気になりました。
直進性が高い
バイパスを少し走らせてもらって確認できたのが、かなり直進安定性が高いこと。
この辺りはプラットフォームの恩恵も大きそうですが、3008よりもドッシリした印象を受けたので、2,730㎜のロングホイールベースや235というタイヤの幅も影響があるかもしれません。
コーナリングでの回頭性も柔らかめのサスなのでキビキビという感じではなく、どちらかというとゆったりと長距離を流して乗るグランドツーリング的な使い方が似合うクルマな印象でした。
やはりヨーロッパのアウトバーンが強く意識されてますね。
ロードノイズですが、低速域ではどちらかというとエンジン音がメインでノイズは気にならなかったです。
バイパス走行での中・高速域で少しゴーという音が聞こえる程度。
どちらかと言うと気になったのは、風切音というか風とぶつかってる音がするような(゜-゜)
フロントが分厚い影響でしょうか。
C5や最近のプジョーデザインについてお話も聞かせて頂きました。
約15分位の試乗終了、ありがとうございました。
ドライブフィールは以上です。
C5エアクロス エクステリア
フロント
C5エアクロスのフロントフェイス、ロアバンパーの赤い加飾や、エンブレム兼グリル的なデザインがシトロエンのクルマって感じします。
パッと見でインパクトありますし、お洒落でポップな印象。
全幅は1,850㎜、全高1,710㎜と最近の一般的なミドルクラスSUVのサイズど真ん中です。
分厚めのフロントフェイスで、全高も高いのがフロントのインパクトに効いてそう。
ラウンドされたデザインが特徴的。
デザイナーに日本人女性の方がいらっしゃるそうです。
ヨーロッパっぽいRデザインで優しい雰囲気も感じます。
ヘッドライトとフォグランプはハロゲン、最近はLEDが主流になっていますので逆に珍しいです。
デイタイムライトはLEDとなっているそうですが、点灯状態は撮影出来ていません。
ボンネットフードの大きな窪みが印象的です。
シトロエンのエンブレムの形状で切欠かれた中央の先端部分も遊び心ありますね。
サイド
全長は4,500㎜と長すぎないサイズです。
街中での取り回しも問題ないボディーサイズですが、全高が高いので駐車場の制限は出てきますね。
ホイールベースが2,730㎜あり、このクラスでは長めになっています。
全体的なデザインとしては、実用的なSUVテイスト溢れる力強い造形。
形はオーソドックスですが、各ディテールで個性を出してきています。
エアバンプと呼ばれるレッドのアクセントがサイドでも良い存在感です。
ルーフレールにさりげなく入った赤色も良い。
このルーフレールのデザインが拘りを感じられます。
同社C4カクタスのルーフレールからさらに洗練されてるような印象。
ウィンドウ周りのメッキモールが、Aピラーのエンドから始まるのもシトロエンっぽいですね。
フロントサイドのセクション、ホイールベースが長いのでオーバーハングは短め。
グレードが少ないのでホイールはこのデザインのみです。
サイズは235/55R18。
エアバンプの挿し色にもなっているレッドのアクセントカラーはボディーカラーによって色が変わってきます。
お気に入りの組み合わせを考えるのも楽しそう(^^)
C5エアクロスボディーカラー
C5エアクロスのボディーカラーは全6色です。
(https://www.citroen.jp/car/c5aircross/)
ブラン バンキーズ・・・ソリッドカラー
グリ プラチナム・・・試乗車カラー
ノアール ペルラネラ
ブルー チジュカ
ルージュ ボルカーノ
ブラン ナクレ・・・パール、展示車カラー
このうち、グリプラチナム、ブルーチジュカ、ブランナクレにはツートンルーフのオプション設定があります。
個人的にはブラックのノアールペルラネラが見てみたいです。
カッコよさとのバランスが良さげ。
基本的にキャラクターラインは無く、ディテールで魅せる感じです。
リヤのラゲッジ部分の傾斜も垂直気味で実用性に振ったデザイン。
3008と同等のボディーサイズながら、しっかりとC5の個性がエクステリアでも与えられているなと思います。
ラゲッジが標準状態でも580ℓの大容量が確保できているのはこのデザインの恩恵も多いにありますね。
リヤ
ショルダーラインもあってスタンスが効いているので、リヤもドッシリしてますね!
このリヤデザインは凄く好み。
リヤのコンビネーションランプもハロゲンですが、このデザインも良いですね。
R処理された長方形で存在感あります。
ちょっと前のアウディのSUVとイメージが被るような。
ランプカバーも少し窪んだ形状になっていて、全体的な統一感も演出されているみたいです。
フューエルリッドはプッシュ式。
リッドに樹脂カバーも付いていて、この辺りはさすが欧州のクルマ。
これは選ぶボディーカラーでかなり印象が変わりそうなクルマですね。
ルーフスポイラー等の質感も高いです。
こちらの車両はツートンルーフになっています。
ロアバンパーはピアノブラックではなくブラック塗装って感じになっていました。
この部分は塗装が少し貧弱そうだったのですが、何か意図があるのでしょうか?
ピアノブラックだとキズ付きやすいからとか?
バンパーのマフラー一体型デザインはダミーで、こちらもプジョー3008同様、片側に2本だしです。
エクステリアは以上です。
C5エアクロス 試乗まとめ
シトロエンの新型C5エアクロスのエクステリアとドライブフィールをレビューしました。
エクステリアは最近のシトロエンらしくエアバンプや各ディテールで遊び心がありつつも、全体の造形は実用面にも配慮されており、使い勝手が良くておしゃれな道具感のあるクルマに仕上がっています。
初めてシトロエンのクルマに試乗させて頂きましたが、専用のダンパーが設定されたり、同じプラットフォームでもホイールベースが違ったりと動的質感は全く別物でした。
3008はキビキビしていて、クイックなハンドリングにも軽快に反応できるタイプですが、C5はこの辺り真逆な印象。
街中よりも長距離移動を快適にクルージングを楽しむのが似合うクルマだと思いました!
以上でシトロエンC5エアクロスのレビューを終わります。
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます。
C5の公式HPです。